バリウムってなに?
皆さんはバリウムの内容物をご存知でしょうか。
胃X線検査の際に飲むあの白い液体は、鉱物が原料です。重晶石という、X線を吸収する性質を持つ石を砕いて粉末状にしています。この粉末状のバリウム製剤を水に溶かして、検査の際に皆さまに飲んでいただいております。
しかし、バリウム製剤の中身すべてが石の粉末というわけではありません。石の粉末を均一に水に溶かすための添加物や、飲みやすくするための香り・味付けの為の添加物も含まれています。
バリウムの内容物は100g中、99gが硫酸バリウム(重晶石)で、残りが様々な添加物になっています。細菌の発育や増殖を抑制する作用がある添加物、液体にとろみをつけて飲みやすくする増粘剤、混ざりにくい物質同士を均一に混ぜる乳化剤、泡立ちを抑えて胃を観察しやすくなる消泡剤、無味無臭のバリウムを飲みやすくするための香りや味をつける香料・甘味料が入っています。添加剤の種類はバリウムの種類や製造している会社により様々ですが基本はこのような添加物が含まれており、これらの添加物は食品や薬剤などに使用されているものばかりです。
様々な内容物のバリウムですが、あまりおいしくできない理由もあります。
バリウムの味をおいしくしてしまうと胃の働きが活発化してしまい、胃酸を分泌します。
するとバリウムの胃粘膜への付着が悪くなり、撮影がうまくいかずに病変を見つけづらくなってしまうので、バリウムの味はおいしくならないようにしているのです。
※バリウムは胃液や腸液に溶解しない性質があり、飲み込んでも消化器官から吸収されず、便となって排出されるために基本的には無害です。検査後にお渡ししている下剤を服用し、水をこまめに飲んで早めにバリウムを排出して下さい。
バリウムの製造会社の方々も、飲みやすく、検査しやすいバリウムを製造しようと日々努力を重ねています。放射線科の職員も日進月歩撮影技術の向上を目指していますので、是非胃X線(バリウム)検査を受診して早期の病変発見にお役立て下さい。
放射線科