【減量にはコツがある】
1.減量は旅行に似ている?
減量を何かに例えるとしたら、「旅行」でしょうか。目的地や観光に合わせて日程を調整し、プランを組み立てる旅行は、ふらっと気儘に出掛ける「旅」とは趣が異なり、自由度は低いかもしれません。然しながらプランに従えばその目的は達成され、アクシデントがない限り期待どおりの満足感を得ることができます。実は減量も、自分にマッチしたプランに出会いさえすれば、同様の満足を獲得することが可能です。本稿では成功する減量のコツについて述べます。
2.減量を成功に導くポイント
1)[まずは] 減量目標を決める:最初に「いつまでに何kg減量するのか」を決めます。通常は「3ヶ月で3kg減量する」「6ヶ月で5kg減量する」と表現します。日本肥満学会では、下記の事由から現体重の3~5%を3~6か月で減量することを推奨しています。
<体重を3%減量する効果>
・血糖値、HbA1c値の低下 ・中性脂肪値の低下、HDLコレステロールの上昇
・血圧値の低下 ・肝機能(AST,ALT,γ₋GT)の低下 ・尿酸値の低下
例えば、現在80㎏のAさんが3ヶ月で3%減量する場合
3%に相当する体重は 80㎏×3%=2.4㎏ ですので、減量目標は「3ヶ月で2.4㎏減量する」となります。
2)[次に] 減量に必要な1日当たりの削減エネルギー量を確認する:体重を1kg減らすには、脂肪組織1kgが約7,000㎉のため、食事で減らすエネルギー と、運動で消費するエネルギーの合計が-7000㎉になる必要があります。
例えば、80㎏の人が3%(2.4㎏) の脂肪組織を減らすには
7,000 ㎉/kg ×2.4㎏ =16,800 ㎉ のエネルギーを削減することが必要です。1日に減らすエネルギー量は、減量に必要なエネルギー量を減量日数で割ると算出できます。3ヶ月(90日)の場合は、1日当たり200㎉ のエネルギーを削減します。16,800 ㎉ ÷ 90 = 187 ➡ 200 ㎉ /日
3)[ここが決めて] 行動計画を立てる(プランニング):1日に削減並びに消費するエネルギー量を確保するために、生活改善行動をプランニングします。生活改善行動は体重増加の要因となった生活習慣(食事、運動、間食、飲酒等)を候補にするのが得策です。自分が太った原因を無視する減量は無謀ですし、どんなに流行っていても自分に合っていなければ長続きしません。また、成果を追求し過ぎた計画は、やめた途端にリバウンドするのが特徴です。飲食の場合は本音とよく相談した上で、食べる頻度や量を減らす、食品を替える等でエネルギー削減の調整を行います。1つの改善行動で1日に削減するエネルギー(例では200㎉ )に満たない場合は、いくつかの行動を組み合わせて減量プランを組み立てます。行動例を示すので参考にしましょう。
なかなか体重が減らない、最初は減るけれどすぐに止まってしまうので諦めている、という方は2.1)~3)のポイントを押さえた減量に再チャレンジしませんか。「やった~!」に出会えることをお約束します。
健康支援課