動脈硬化対策は、自分に沿った情報収集が入り口! ~保健指導をご利用ください~
健診結果を見て「コレステロール値がまた上がった」と悩む人は多いですが、コレステロールは細胞膜やホルモンの原料になるなど、体に不可欠な成分です。
血管内にある余剰なコレステロールを取り除き、肝臓へ戻すHDLコレステロール(善玉。以下HDL-C)と肝臓で作られたコレステロールを身体の各組織に運ぶLDLコレステロール(悪玉。以下LDL-C)に分けられ、LDL-Cが過剰になると血管壁に蓄積されて動脈硬化の要因となります。
一方で内臓脂肪蓄積は、それだけで動脈硬化のリスクとなり、食事と運動の調整により生活習慣を改善することが対策の基本です。そのため特定健診では、基準値に沿って個別に改善対応の推奨(保健指導)を行っています。
- 生活調整はオーダーメイドで
生活改善の最近のブームは「ご飯(炭水化物)を食べない」。
「油を減らす(低脂肪)」は摂取する種類の修正が加わり、わかり難い点もあるため、シンプルで簡単、どこでもできる‘ごはん抜き’は人気です。確かに低炭水化物食と低脂肪食を比較すると、低炭水化物食の方が低脂肪食よりも有意に体重減少、中性脂肪の低下が認められていますが、その一方でLDL-CとHDL-Cを上昇させます。
ところが「ご飯を減らしている」替りに、おかずやアルコール、間食の摂り過ぎを招き、せっかくの努力が報われていない人が散見しています。それは摂取したおかずなどのエネルギー量が減らした分に見合っていない、摂る時間のズレ等によるものなので、微修正で理論に近づけることが可能です。
また「運動は‘30分以上/回’でないと効果が得られない」という知識から、今は仕事が優先という人も多く、勿体ないと感じています。「運動はコマ切れでも有効」というわずかな情報で、持続可能な健康習慣に結び付き易い項目です。
更に検査値(血糖、血圧、尿酸、肝機能)の高値や肥満の有無によっても対策の優先順位は変わるので、確実な成果に繋げるためには、情報の選択がマストになります。
当センターでは、忙しい皆さまが効果的かつ確実に目的が達成できるよう健診に伴い、個別サポート(保健指導)を行っています。
健診終了後に「保健指導の声掛け」があった際は、千載一遇のチャンスと捉え、自分の生活に沿った対処法を確認する20分として、ご利用をお勧めします。
健康支援課