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2023年 01月 03日 BLOG

産業医派遣について

産業医とは、医師が研修や講習を受けて、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学的な知識に関する要件(労働安全衛生法(以下労安法)および同規則で規定)を備えた者であり、医師の3割程度が取得しています。産業医は、労安法および同規則に基づき、医学の専門的な知識を活用して、職場で労働者の健康管理に関する助言や判断(就労や残業や就業内容の可否)等を行います。産業医は労働者が50人以上の事業場(事業場単位であり企業単位ではない。人数には常勤に加えて短時間労働者、契約社員、派遣されている労働者も含む)では産業医を選任することが義務付けられています(50人未満では努力義務。1000人以上では専属産業医の選任が必要)。労安法と同規則および参考資料によると、産業医の職務は大きく以下の6つに分類されます。

1)健康診断とその結果に基づく措置:健康診断後にその結果から就労の可否や精密検査や治療の必要性について判断することが産業医の役割です。要精密検査や要医療の労働者については、衛生委員会は本人の医療機関受診の有無や結果の把握をし、産業医がそれらの情報から就労の可否や精密検査後の対応について医学的な判断や助言をします。

2)治療と仕事の両立支援:治療しながら就業する労働者について、就業内容や療養について助言します。自宅療養や入院治療後の職場復帰時に本人と面接して、安全な職場復帰に向けて本人や会社に助言することもあります。

3)ストレスチェック制度や長時間労働者への対応:高ストレス状態や長時間労働は脳心疾患や精神疾患のリスクとなり、労災認定の要件です。産業医は、ストレスチェックの実施や高ストレス者への面接、長時間労働者への面接と就労の可否判断や会社への予防策に関する意見を述べます。

4)職場巡視:産業医が職場を巡視し、職員の健康に悪影響を与えるような環境(温度、湿度、換気、明るさ、備品の配置(落下や躓きによる転倒の予防)など)や作業方法(作業の姿勢、作業における労災予防策(手袋、眼鏡、ハーケン、防塵マスク、ファン付き作業衣など)、休憩の取り方)について確認と助言をします。

5)衛生委員会:産業医は衛生委員会の一員として、健康管理体制や職場環境、働き方などについて助言します。

6)その他:健康教育、健康相談、衛生教育、健康障害の原因調査と再発防止措置。以上は労安法や同規則に挙げられており、産業医が労働者の健康管理を進めるに際して、極めて有効な活動方法です。

当センターでは、現在4人の産業医が、当センターの健診事業を利用されている事業所の一部について産業医の派遣を行っています。

参考資料  中小企業事業者の為に産業医ができること(目指せ健康経営) 独立行政法人 労働者健康安全機構

 

田川副所長