未治療の怖さ、健診の意義
皆様、今年の健診を受けましたか?毎年健診を受ける事は大変重要です。
健診を受けて結果を見ましたか? A「所見なし」の項目ばかりならひとまず安心です。
E「要精密検査」や、H「要専門医受診」の項目があれば報告書を持って病院・診療所を受診し、治療が必要か確かめましょう。B「有所見健康」や、C「経過観察」なら、次回の健診を必ず受診し、どのように変化したか確かめる必要があります。信号に例えるならAは青、B、Cは黄色、E、Hは赤と考えてください。
では実例をご紹介しましょう
1)Xさん、 42歳。今年のHbA1c(糖尿病の指標、基準値は5.5以下)が8.3と上昇していて、専門医受診勧奨値の6.5を大きく超えていました。過去の検査をさかのぼってみると、一昨年は5.6とB有所見健康でしたが、昨年は6.6と受診勧奨値を0.1超えていました。0.1だけなので気にはなっていましたが、放置していたそうです。わずかな異常でも早めに受診すると悪化が防げます。
2)Yさん、53歳。今年健診で便潜血が1本(+)で、血色素量も12.8と前年より低下しE要精密検査だったため、消化器内科を受診しました。大腸内視鏡検査で3センチ位のポリープが2個見つかり、病理検査でがんが発見されました。過去の便潜血を調べると昨年は(-)でしたが、一作年は1本(+)でした。その時点で大腸検査を受けていれば、ポリープはがん化していなかったかもしれません。
3)Zさん、40歳。今年の健診で中性脂肪185、肝機能がAST 42、γGT 92と上昇しており、E要精密検査でした。35歳の時は全てA判定で、お酒も週に2回程度なので、びっくりして内科を受診しました。医師から5年間で8kgも体重が増え、BMIが25を超えていたため減量を命じられ、栄養士の食事指導を受けることになりました。
健診結果を確認し、E要精密検査や、H要専門医受診があれば直ぐに専門医を受診し適切な治療を受けてください。
「エッ!? 健診結果を見るのが怖くて開封しないままですって。」折角の健診も意味がありません。報告書が届いたらすぐ確認し、総合判定結果に従ってください。報告書は紹介状でもあるので、これを持って病院を受診できます。受診先が見つからない時には、当センター外来を受診して頂ければ適切な専門医をご紹介いたします。
宮崎所長