マンモグラフィについて
マンモグラフィとは、乳房専用のX線装置を用いて、乳房を板で圧迫して薄く伸ばした状態で撮影する検査です。検査時間は人によって異なりますが、10分前後かかります。
この検査では、乳房を薄く伸ばすことで重なり合った乳腺が広がり、腫瘤性の病変をより鮮明に映し出すことが出来ます。早期がんのサインである石灰化や触ってもわからないような小さなしこりを微細石灰化病変として発見することが出来ます。マンモグラフィは、特にこの石灰化を見つけることに有用な検査です。
検査は2種類の撮影方法があります。乳房をくまなく映し出すために、片方の乳房に対して2つの方向から圧迫して撮影します。
1つ目は、MLO(内外斜位方向)撮影といい、斜め方向から押して乳房を広く映すことができる撮影で、特に乳房の外側をメインとして映し出します。2つ目は、CC(頭尾方向)撮影といい、上下方向から押して乳房の内側をメインにして映し出す撮影です。
斜め方向の撮影で広範囲を撮影できますが、見えない部分を上下方向の撮影で補うため2種類の撮影を行っています。
マンモグラフィと言えば、撮影の際に乳房を押して痛い、というイメージが皆さんあると思いますが、あの痛いほど押すのも実は理由があります。
撮影時に透明な板で乳房を押していくことで、乳房全体の厚みが薄く均等になり、ムラがなく見やすい画像が得られます。腫瘤と正常な乳腺の重なりが少なくなるため、石灰化やしこりなどの病変を見つけやすくすることができます。更に厚みを減らすことで、被ばく量も低減できます。
また、撮影時の呼吸や体の動きによるブレなどの防止にもなります。
しかし、毎回検査の度に痛い思いをするのはイヤですよね。
そこで少しでも痛みを軽減して、検査を受けるにはどうすればよいでしょうか。
まず、月経前はホルモンの関係で乳房が張るので、月経前はできるだけ避けて乳房の張りが少ない時期に検査を受けましょう。
次に、なるべく力を抜いてリラックスする事で痛みが軽減されることもあります。
軽減するやり方を紹介しましたが、個人差があるため全く痛くないという方もいます。痛みを完全に無くす方法はありませんが、技師も日々痛みを抑えてより良い画像を撮影しようと努力を重ねていますので、ご協力をお願いします。
当センターは日本乳がん検診制度管理中央機構における『マンモグラフィ検診 施設・画像認定』を取得しております。撮影機器の日常管理、保守点検およびマンモグラフィの撮影が適切に行われているかの評価を受けて、書類審査や放射線量測定、実際に撮影された画像を対象にした審査に合格しております。乳がん検診の精度管理をしっかりと行なっておりますので、皆さまに安心してお受けいただけます。また、スタッフにおいても「検診マンモグラフィ読影認定医師」と「検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師」が在籍しており、検査は女性技師が担当いたします。
わが国の乳がんになるピークは40〜50歳代(※1)ですので、40歳以上になったら定期的にマンモグラフィを受けることをおすすめします。
※1出典:国立がん研究センターがん情報サービス
今後も良質な医療の提供と健やかな健康維持に貢献できるよう努力してまいります。
放射線科